税理士が必要なタイミングとは?
■ 会社設立を決意したとき
どのタイミングで税理士を頼むかですが、まずは会社をつくろうと決意したときでしょう。
会社設立の手続きは本などを読んで行えば、自分でできないこともないという考えもあるかもしれません。しかし、そうなると相当の時間を要する覚悟が必要です。
そこを税理士に頼むことで、その分を会社設立の準備など他のことに回すこともできます。
また、設立までの手続きよりもむしろ肝心なことがあります。
設立後に順調にすべりだして、さらに軌道にのせてゆくことです。
そのために、専門家の力を借りるメリットの大きい事柄はまだまだいくらでもあります。
たとえば、役員報酬の適正価格、社会保険の入り方、利用可能な助成金にはどんなものがあるのか、節税の対策をどうするのかなどについて、税理士から教えてもらうことができます。
さらに、広い意味での経営相談にも対応してくれます。
個人事業主のままでいるか、法人化するかという選択に迷うとき、税務の知識があれば、それだけ確信をもって決められることがあります。
たとえば、法人化して社長になったほうが、税金がかからないことがあります。
それは、社長の給与にたいしては、給与所得控除が適用になるからです。
たとえば、年収を1,000万円としたとき、個人事業主の場合は、課税対象額が1,000万円のままです。
これにたいし、会社の社長の場合は、役員報酬としての1,000万円のうち課税対象額は780万円となります。つまり、同じ税率なら、税金の負担は法人のほうが軽いということです。
ある程度までの利益があがってきたとき、こうした節税の知識があれば、会社化することも検討できますが、それにはやはり専門家である税理士の助けが必要になってくるといえます。 ■ 税務調査がはいったとき
申告が正しく行われているかどうかをチェックするのが税務調査ですが、会社としては追加税金を取られるのではないかという悪いイメージを抱きがちでもあります。
しかし、質問検査権といわれるものをもつ税務署員が質問してきた場合でも、日頃からしっかりと経理計算をやり、申告していれば、何も恐れることはないのです。
とくに税務署の職員である調査官が会社に来て行う実地調査では、会社の社長や経理担当社員が立ち会いますが、すんなりと片付かないときには、後日話し合いの必要性が持ち上がってくることがあります。そんなときは、やはり顧問税理士がいれば、心強いと思います。
したがって、税務調査がはいることがわかった時点が、税理士を使うことを検討するひとつのタイミングといえます。
■ 相続税や贈与税を納税しなくてはならないとき
もう一つのタイミングが相続税や贈与税の納税義務が発生したときです。
課税価格の計算や相続税の総額の計算から各種控除まで煩雑なプロセスを経て計算されるのが相続税計算のしくみです。時間をかけて勉強したのに、間違った計算にもとづく申告をしてしまえば、税理士に依頼する費用を惜しんだデメリットは大きくなります。
このような場合は、いたずらにストレスをためこんで通常の業務にまで支障をきたすことのないように、税理士に相談するのがよいでしょう。
■ 税理士を替えるタイミング
税理士への不満には報酬が高いとか対応がよくないなどがありますが、そう感じたとき、どうしたらよいでしょうか。
友人や知人からの紹介の場合、なかなか検討に踏み切れず、いつまでも不満をかかえたままつきあいを続けるということにもなりがちです。
しかし、思いきって、相手の税理士に報酬額の見直しや業務内容に関する疑問などを伝えるべきです。
その結果、どうするかを改めて考えればよいでしょう。
医者選びにもセカンドオピニオンがありますから、他の税理士にあたってみたり、情報を集めたりするのもよいかと思います。
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