税理士報酬額の相場とは
日本税理士会連合会が調査した第5回税理士実態調査報告書の統計によれば、個人事業主が相談者の場合、30%が一万円以下、35%が二万円以下となっています。
つまり、二万円を超える月額顧問料を払っている利用者は全体の4割に満たないということで、個人の場合の相場は二万円といってよいでしょう。
これにたいして、法人が相談者の場合はどうでしょう。
二万円以下が18%、三万円以下が32%となっています。つまり、三万円を超える月額顧問料を払っている利用者は全体の5割ということです。
しかも、残りの半数のうちの3割以上が五万円以下ですから、ここからすると、法人の相場は三万円と見なせます。
また、月に一回だけ税理士に依頼する決算業務がありますが、そのときに支払う報酬額は、前に紹介した統計によると、個人の場合は44%が五万円以下、法人の場合は41%が二十万円以下となっています。
ここから相場として、個人なら五万円、法人なら二十万円ということができます。
■ 売上によって報酬額が変わるわけ
年商が伸びてゆけば、納税額が増えてゆくのが一般的ですから、それだけ税理士の仕事も増えます。
また、最終的に税理士にかかってくる賠償責任というのが大きくなります。
それらが、売上が増大するにつれて、税理士報酬額もアップしてゆく理由です。
■ 値段だけで決めずに、仕事をしてもらえるかで決める
以前、業界内に報酬規定がありました。そのため当時は税理士事務所間における差はほとんどありませんでしたが、平成14年4月1日施行の改正税理士法では、従来、税理士会が定めていた税理士の業務に関する報酬規定を廃止しました。
その後現在までに、税理士または税理士事務所は、自由意思のもと自己責任と説明責任にもとづき報酬を算出して依頼者に請求するというように、事情は大きく変わってきています。
最近の傾向としては、税理士としてスタートをきったばかりの若い税理士が月に五千円という低価格で仕事をするケースも出てきて、業界では全体に平均額が低くなってきているようです。
価格破壊といえるかどうかは別としても、利用者側が気をつけたいのは、安ければいいという考えで選んだ税理士が満足な仕事をしてくれなかったという後悔がないように、しっかりとしたサービス内容かどうかを十分に検討する必要があるということではないでしょうか。
税理士に頼む場合は、まかせる範囲と報酬額に関してあらかじめ契約書を交わしておくべきでしょう。
|